キングコング西野が岡山で語った信用経済とプペルを100万部売る方法

キンコン西野が独演会で語った内容

先日、キングコング西野さんの独演会が岡山で開かれました。僕もこの夏スタッフとして手伝い非常に楽しみにしていて、当日の話の内容にやはり刺激を受けたのでまとめてみたいと思います。こちらは終わったあとの集合写真。

西野亮廣さんが独演会で話した2つのテーマ

  • えんとつ町のプペルのマーケティング戦略
  • 信用がお金に変わる信用経済

えんとつ町のプペルを30万部売った戦略とは?

今回の独演会では、1万部売れれば大ヒットと言われる絵本業界で、30万部を越す激烈ヒットを飛ばしているえんとつ町のプペルを売り出す戦略とこれからの信用経済についての話がメインでした。

 

著書である魔法のコンパスにも書かれてあったと思うんだけど、えんとつ町のプペルはそもそも、絵本の弱点を攻めたアグレッシブなやり方。

 

テレビや映画、アニメーション、舞台など、エンターテイメントのほとんどが脚本や監督、キャスト、プログラマー、CGクリエイターなど多くの職業、多様なプロフェッショナルが関わって1つの作品を作っている。

しかし、絵本は1人の作家が1つの作品を作ることが主流になっている。そして、じゃあなんで、そうなっているのと考えたときに、その明白な理由が1つあったそう。

 

やりたいこと、好きなことをやろうと思う人誰もが必ずぶち当たるその理由、お金である。

 

 

先にも書いたとおり、1万部売れると大ヒットと呼ばれる絵本業界では、1つの絵本制作において、大人数のプロに支払うお金が払えないという理由なのだ。

 

そこで、西野さんが「えんとつ町のプペル」を制作する際に一番最初にやったことは、作画でも脚本でもなく、資金集めだったそう。

プペルの制作はクラウドファンディングで3293人が支援した

えんとつ町のプペルが出来上がるまでに関しては西野さんご本人のブログ記事にも書かれているので、こちらを参照に。

※写真は下記リンク、公式ブログより

『えんとつ町のプペル』ができるまで。-キングコング西野公式ブログ-

 

ここでクラウドファンディングを使った話が非常に面白くて、西野さんはプペルを100万部売ると決めていて、そのための販売戦略を考えたそう。

 

そして、まず最初に考えたのが作り手を増やすこと。

 

絵本を間違いなく欲しがるのは、絶対的に作者であるってこと。作り手が1人なら1冊は必ず売れるし、2人で作ったならその2人は間違いなく買うってこと。

 

西野さんが制作費をクラウドファンディングで集めたのもここらへんの考えがあってのこと。

 

えんとつ町のプペルの制作に関して、クラファンで3,000人以上が支援しているということを可視化して、注目を集めている事実を世間にプレゼンした。

 

そしてそれは、製作中の絵本をリターンとしていたこともあり、なんと完成前に3,000冊の予約をとっていたことになる。

 

ここらへんの考え方と実行力がスゴい。

絵本の売るカギは思い出とお土産化

出版不況が騒がれるこのご時世で絵本をベストセラーにするには如何に買ってもらうか、如何に価値を感じてもらうかが大事なのは言うまでもない。

 

どうやって手に取ってもらうかを考えたときに、出てきたアイデアが面白い。

 

絵本が売れないのは生活必需品じゃないからという考え。

 

まさにその通りで、ペットボトルの水が売れるのは誰もが水を飲むからだし、洗濯機やテレビなどの家電が売れるのも生活の中で使うから。でも、絵本は毎日欠かさず読むものなのかどうか?それはない。

 

でも、僕らが生活している上で非常に大切にしていて価値を感じているものがある、そう思ったそう。

 

それは、思い出。

 

西野さんが芸人仲間と京都か奈良か地方に旅行に行った時に、買う必要もないのにペナントを買ったことがあったそう。

 

修学旅行でいった京都で使いもしない木刀をかったり、三角系のペナントを買ったりしたことはないだろうか?

 

「なんで?こんなもん買ったの?」と思うんだけど、その場の思い出として生活に不要なものでも買ってしまうのだ。

 

誰しも買ったことがある、もしくは買ったクラスメイトぐらい頭に浮かぶんじゃないかな?

 

その証拠として、今も観光地にあるお土産屋は潰れていない、でも、本屋は潰れている。

 

じゃあ、絵本を売るにはどうしたら良いか、「絵本をお土産にしたら良いんじゃない?」である。

原画展を開催、そして著作権フリーへ

えんとつ町のプペルの原画展を開催して、そこでお土産として、販売するという戦略をとっている。

 

この時からクラウドファンディングのポータルサイト、キャンプファイヤーを使用して企画を上げて、ここでも4千6百万を超える支援金を集めている。

 

原画展に参加した人は思い出として、自分や他の人へのプレゼントとしてプペルを買う。

 

そして、原画展の主催者を一般公募し、全国各地でやることで間違いなく、売れる仕組みが出来上がっているのである。

画像出典元:キャンプファイヤー URL: https://camp-fire.jp/projects/view/10837

さらに、1万人が買ってくれるより、100万人が知っている方が価値があるという考えのもと、えんとつ町のプペルがインターネット上で全ページ無料公開されている。

 

人がモノを買うのは確認作業、知っているものを体験するためにお金を払う、と西野さんも考えている。

 

実際、僕らは見たものや聞いたものを確認するためにお金を払っている。

 

食べログで見たレストランに行き、知ってる料理を食べて、youtubeで聞けるアーティストの楽曲を改めてitunesで聴いたり、CD買って車でかけたりする。

 

旅行会社のパンフレットで見た素敵な景色の場所を旅行先に選ぶこともある。それと同じで、完全に内容を知っている絵本をお金を払って買うことがあるのだ。

 

僕も実際、えんとつ町のプペルをネットで見たあとに絵本を購入した口である。そういう人は山ほどいると思う。

 

ビジネス書やセミナーでも一部を無料公開することは一般的だが、全編無料公開というのは歴史上初のことじゃないかな?

 

実際、色んな反対意見もあっただろうし、西野さんがやりきっているのが本氣でスゴいと思う。

えんとつ町のプペル年表

多言語翻訳サイトが出現、映画化も決定

著作権フリーにすることで、様々な波及効果が起こっている。2017年の1月には映画化も決定したいた模様。

 

さらに、えんとつ町のプペル多言語翻訳サイトが出来上がり、世界中の子どもたちもインターネット環境があればプペルを読める状況になってきている。

 

この翻訳サイトも、翻訳者の方々もみんな自発的に無償でやっているのがこれまたスゴイところ。

 

西野さんのアイデアに共感したり、プペルのストーリーに感動した人が突き動かされるように、巻き込まれている。

Poupelle Of Chimney Town

※下の画像は上記サイトより、画像をクリックしてもサイトに飛びます。

 

僕も青年海外協力隊でグアテマラにいたこともあり、グアテマラの友人や子どもたちにも読んで欲しいと思ったので、日本を訪れていた友人にスペイン語訳と共に手渡した。

 

その友人もストーリーに感動して、子どもたちに読ませたいと話していた。

グアテマラの友人に西語訳したプペルを渡す

岡山独演会の前にプペルの朗読会も開催

著作権がほぼフリーになっているえんとつ町のプペル。

 

公開されているあのクオリティの高い画を使って、二次創作を作れるのは純粋に楽しい。

 

岡山では独演会のプレイベントとして、舞台仕立ての朗読会も開催した。ピアノの伴奏とキャストのセリフに迫力があって、大盛況だった。

メインキャスト翼fbページ: https://www.facebook.com/tsubasaloveandpeace/

全国各地でもこういったイベントが、起こっていると思われる。

信用経済2.0、認知と人気の話へ

西野さんの独演会で話されていた内容に戻る。

 

えんとつ町のプペルの制作や原画展の企画立ち上げの時に使ったのがクラウドファンディング。

 

ネット上の資金調達プラットフォームだが、ここでモノを言うのが人としての信用である。芸能人、とくにテレビタレントとクラウドファンディングの相性は最悪と話されていた。

 

西野さんがテレビの仕事を注意深く選んでいるのも頷ける話。特に分かりやすいのが食レポの芸能人タレント、テレビ的に出てくるものは美味しそうで、基本美味しいことになっている。

 

スポンサーがいて広告費が降りていて、そこに露出されるということは、もしそのタレントが美味しくない、不味いと感じいてもその本音を晒すことができない状況に陥っている。

 

味覚なんてひとそれぞれで、肉が好きな人もいれば、野菜が好きな人もいる。中華が嫌いな人もいるかもしれないし、イタリアンは嫌という人もいるだろう。

 

食レポ番組に出演しているタレントはもしかすると、つきたくもないウソを言わざるを得なくなるかもしれない。

 

今や誰もがスマホを1台持っていて、いつでもどこでもネットにアクセスすることができる。ツイッターやfacebookで検索すれば、マジ話、本音の感想が晒されている時代である。

 

そんな時代にスポンサーの意図を絶対視して自分の感覚から外れたことを言うのは自分の信用を失うリスクしかないのだ。

 

クラウドファンディングがその人の信用をお金に換える装置である以上、そういったことをしているテレビタレントとの相性は最悪ということ。認知はあるけど、人気はない。だから、クラファンをやってもお金が集まらない。

 

独演会では幾多の芸人さんがクラファンに挑戦して、失敗しているケースを話してくれた。

クラウドファンディング、連戦連勝のホームレス

逆に、認知はないけど上手くいったオモロいケースがある。

 

西野さんの話の中で出てきたのがホームレス小谷さん。小谷さんは、ホームレスだけど毎日寿司を食っていて(ホント?)、ホームレスになってから可愛い奥さんをもらったスーパーホームレス。

 

クラウドファンディングは連戦連勝。自分の結婚式の費用をクラファンで捻出し100万円以上を集めたホームレスである。

小谷さん、実際に会ってみるとその人柄の温かさがよく出ていた。ヒゲがピンと立っているのも人から買ってもらったワックスでセットしているそう(笑)

小谷さんノリが最高に良い人、2ショットも

左肩には「浄財」の文字が

小谷さんが信用を稼いだ方法も、魔法のコンパスに書かれているので読んでみて欲しい。

 

ご本人さんの自伝の「笑うホームレス」もオモロイ。最後のページもよく見て欲しい、よく見るとウケる部分がある。

 

今は年末に開催される天才万博のチケットを手売りしているそう。興味ある人は小谷さんのfacebookアカウントをフォローしてみて。

ホームレス小谷さんのfbアカウント

本音で生きろ、やりたいことをやれ

今や嘘はバレる時代であり、その人の信用がモノを言う時代になっている。

 

そして、信用をお金に換える装置がたくさんあるのが現代。

 

だからこそ大事なのは、本音で生きることであり、好きなことをやることだ、と西野さんは話されていた。

僕も全面的に大賛成である。

 

西野さんは、お笑い芸人であり、絵本作家であり、エッセイストであり、会社の顧問まで勤めていてマルチっぷりを発揮している。

 

人の興味や関心というのはそのときどきで移ろうものだし、物事には予期せず遭遇するタイミングというのもある。

 

今まで、これが100%だと思い込んでいたけど、それを覆されるオソロシい瞬間に出会うことだってある。

どうして色んなことをやっているのか?

じゃあ、その時に本氣になれるものをやれば良いということになる。

 

日本は伝統芸能や文化が奥深いので、経験した年数に価値を感じられるのが一般的。会社の終身雇用もその1つの例かもしれない。

 

もちろん、そこにもメリットがあるんだけど、今や科学技術の加速度的な進歩で、社会は激動している。

 

世界中の主要都市でウーバーが使われていて、この日本でも、自動運転の配達車がテストされている現代。

 

タクシー運転手として生涯お金を稼いで喰っていくには、なかなか難しいだろう。

 

運転以外のスキルを身に付け、付加価値を生み出してニッチ産業として生き残るのも面白いかもしれないが、業界全体のパイは確実に縮小する。

 

世界を揺るがしているEC物販、Amazonのおかげで本の流通自体(電子書籍も含めて)は増えているが、本屋さんは激減している時代。ずっと本の販売だけで稼いでいけるかは分からないのである。

 

何かをやっていたとしても、他分野に目を向けなければならない時代とも考えられる。

 

個人の信用を高める信用面積の広げ方

そうなった時にこそ生きるのが個人の信用だ。

 

信用を高めるために何をすれば良いか?それについても西野さんが「信用面積の広げ方」という話をされていた。

 

これは、リクルートで営業部長をやってフェローになり、その後、中学校の校長を経験された藤原和博さんが提唱されている話のよう。

キンコン西野さんも帯に出ている藤原和博さんの著書はこちら

価値創出のベースはモノより思い出、体験する機会を増やすこと

今回の独演会の話を聴いたり、西野さんのブログや書籍を読んでみて、感じているのは、やはり行動することの大切さだ。

 

スマホによる一人一デバイス化、ソーシャルメディアの隆盛でネットは目まぐるしい速度で進化を遂げていて、超便利に、圧倒的に加速している。

 

だからこそ、もはや僕らは利便性には価値を感じにくくなっているのだと思う。

 

なぜなら、便利なのが普通になってしまったからだ。

 

もちろん、産業ジャンルによってはまだまだ不便なものがあって、その利便性を上げることで価値を生み出すことができるかもしれない。

 

でも、多くの人が欲しいのは利便性でなくなっているんじゃないだろうか?

 

便利さは消費される時間を圧縮し、目的達成を近づけてくれるものだ。

 

でも、僕らが生きていく上で最上級に欲しているのは時間ではない。

 

時間なんだけど、ただの時間ではないと言ったほうが正しいかもしれない。

 

それは、価値観を同じくする友人と過ごす楽しい時間であり、同僚と目的を成し遂げて達成感を感じてハイタッチするような時間であり、大好きな人と感動を共有したりして心が打ち震えるような時間なのだ。

 

そこに利便性を高めることとの矛盾が生まれる。

 

便利になればなるほど、一時的な感動はあるものの、体験としての味わいは減る。

 

だから便利になればなるほど、僕らは自ら体験を追い求めるのではないか?

 

これからの価値提供のベースとなるのは、「体験する機会の提供」である。

 

西野さんは何年も前にものすごい早い段階でそれを感じていて、さらに今までそれを思いっきり実行されてきたんだろう。

 

えんとつ町のプペルは100万部売れる、そんな氣がするのは僕だけではないと思う。

 

だからこそ、世間の注目を集めるほどに1歩先を行っているんだと思う。

 

拙い文章でしたが、最期までお読みいただきありがとうございます。

追伸:

プペルの多言語翻訳サイトを運営している会社のEVOLABLE ASIAさんが、先日の西野亮廣ベトナム講演会の様子をfacebookページで無料公開しています。

西野さんの話を聞いてみたいという方はいいねを押して見てみてはどうでしょう?

エボラブルアジア facebookページ

下の画像をクリックするとfacebookページに飛びます。ここで紹介している話も本人が話されているし、途中から小谷さんも出演。

動画の最後の方では、エボラブルアジアCEOのソルさんと対談、西野さんがCIOになったリアルな瞬間も見れます。

二人ともノリが軽くて素敵だな。

2017年9月9日、西野さんCIO退任する

↑2017年9月20日追記 詳細は本人のブログから

キンコン西野、CIO退任!

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ABOUTこの記事をかいた人

1981年生まれ、元看護師、青年海外協力隊として発展途上国での活動で常識が大きく変化し医療の限界も痛感。人が健康に生きるには自然な食べ物や環境が大切だと氣づく。帰国後、潜在意識や量子力学について学びコーチング・コンサルティングを行う。好きな食べ物はから揚げ。