攻めの熱中症対策、ご存知ですか?
暑くなってきました。
もう30℃を超える日も出てきましたね。
夏ですねぇ。
今年は、マスクの影響もあって熱中症が心配されています。
今回の記事では、熱中症にならないように体を暑さに慣らす方法について話です。
大丈夫ですか?
とりあえずマスク外して、深呼吸しましょう。
ふ~、暑かった。
今年はマスクのせいで熱中症になる人が増えるかもしれませんね。
そうなんですよ。
マスクしてると呼吸するのにも普段より力使うので、通勤や通学時にも体が熱くなりやすいですね。
要注意です。
何か熱中症にならないようにする秘訣ってありますか?
細目に水分と塩分を補給するのがおすすめですが、暑さに体を慣らすのも意識しておくと良いですね。
暑さに体を慣らす?
暑熱順化トレーニングと呼ばれますけど、暑さを感じる機会が増えると体が変化して、熱中症になりにくくなるんですよ。
へぇ、そうなんですか!
人間の体ってスゴイですね。
そうなんですよ。
人間の体って色んなことに対応して、体を正常に保つ働きをしてくれてるんですよね。
それを活かして、この夏も元氣に過ごしましょう。
暑熱順化トレーニング、やってみます。
でも、けっこうキツイんですかね?
トレーニングといっても、僕ら一般人はそれほど大したことする必要ありません。
文字通り、暑さに慣れるってことですね。
なるほど、自分にもできそうな氣がしてきました。
僕は、元々専門的な病院で看護師として働き、その後、発展途上国で子どもの脱水を予防する活動なども行いました。
生理学なども分かりやすく解説しておきます。
暑熱順化トレーニングは、主に気温の高い地域で運動するアスリートや、火事の中に飛び込む消防士が行っているトレーニングになります。
特に消防士の場合は、服を重ねて着た上で耐火服を装着して、走る訓練などするんですが、僕ら一般人はそこまでする必要ありません。
日常生活の中で暑さを感じる時間、汗をかく機会を意識的に作ればオッケーです。
最後まで読んでいただくと、日ごろの生活をちょっと意識しておくだけで暑さに負けない体作りが行えます。
夏バテや熱中症ともおさらばしましょう。
目次
熱中症予防に暑熱順化トレーニング、暑さに体を慣らす3つの方法
熱中症予防の暑熱順化トレーニングの最大のポイントは1つです。
それは、汗をかく力。
汗をかく機会を増やして、その力を高めることにつきます。
汗をかく力なんてあるの!?
と思いますが、
人間の体は不思議で、暑さに順応した人とそうじゃない人とで汗のかき方や汗の質も変わるんですね。
そこは後述するとして、最初に何をすればよいかまとめておきます。
今すぐできる暑熱順化トレーニングはこの3つです。
- ウォーキングやジョギングなど有酸素運動をする
- 外で活動する、もしくは一時的に部屋の温度を外気温に寄せる
- お風呂やサウナを利用する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
有酸素運動を行って汗をかく
まずシンプルに運動することで汗をかく、というもの。
ウォーキングやジョギングをして体を動かすことで発汗を促すわけですね。
体を動かすと、筋肉が刺激され熱が生まれます。
それによって、体温が上がり汗をかくわけです。
むちゃくちゃ激しく動かなくても軽く汗ばむ程度の運動でも十分です。
皮膚の汗をかく穴である汗腺を活性化させることが大切ですね。
部屋の温度を下げ過ぎず、気温に合わせる時間を作る
運動して汗をかくのは、自分で体を動かして体温を上げて汗をかく方法です。
こちらは、受動的に外の気温と同じぐらいの環境で過ごすことで汗をかくようにするということ。
高齢の方や運動習慣がなくて体を暑さに順応しようというときに、エアコンなしで一日過ごせ、ということではありません。
一時的に、1時間でも外気温と室温を寄せる時間を作るのが良いと思います。
熱中症で運ばれるのは高齢の方が自宅で倒れるパターンが多く、ぎりぎりになるまで自覚症状のないことが多いです。
なので、小まめな水分、塩分の摂取を意識しながら、外気温に近づける時間を作るのが良いと思います。
お風呂とサウナで汗をかく
3つ目は、お風呂とサウナを利用することです。
暑いお風呂やサウナに行けば、汗をかきます。
ただただシンプルにそれだけ。
お風呂の場合は、40℃のお湯に肩まで浸かる15分間の全身浴を2週間続けると、より発汗しやすくなるという変化が起こるようです。(株式会社バスクリン つくば研究所調べ)
暑熱順化トレーニングの効果は人によりますが、数日~10日、14日という報告が多いですね。
まずは1週間ほど続けてみるのが良いでしょう。
暑熱順化トレーニングの効果、体が変わる3つのポイント
暑熱順化トレーニングをすると、汗をかきやすくなり、暑さに対して急激な体温の上昇を防げるようになります。
そのメカニズムがめちゃくちゃ面白いので、紹介しておきます。
人間の体ってスゴイですね。
人体の体温調節の仕組み
人体が体温を調節する仕組みとして、まず最初に皮膚の血流量を上げるというのがあります。
血管を拡張することで、体表に血液を持ってきて、外気に近づけ熱を拡散させるわけです。
さらに、深部体温が上がってくれば汗腺を開いて汗をかき、皮膚表面を濡らし、水分を蒸発させて熱を逃がすんですね。
本当にすごい仕組みになっています。
汗をかきやすくなる
そして、暑熱順化トレーニングをしていると、汗を出すときの深部体温の基準値が低くなるんです。
暑さになれてない状態であれば、深部体温(直腸音)が39℃のときに汗をかき始めていたのが、暑熱順化を始めて9日後には、およぼ38℃で汗をかき始めた、という実験結果もあります。
平成24年度ヒートアイランド現象に対する適応策及び震災後におけるヒートアイランド対策検討調査業務 参考資料1-4「暑熱順化が熱中症に及ぼす影響の整理」
暑熱順化をしていれば、汗をかき始めるのが早くなり、体温の急上昇を防いでくれるわけですね。
汗の質が変わり失う塩分の量が少なくなる
そして、これまた興味深い話です。
これは、汗の質も変わるということなんですね。
暑熱順化トレーニングをすると、かく汗の質が変わり、汗の塩分(ナトリウム)濃度が低くなることが分かっています。
これはどうも汗腺でナトリウムの再取り込みを行っているためだそう。
熱中症の原因の根っこには、塩分不足があります。
暑熱順化をしていれば、塩分を失いにくくなるので熱中症リスクは大きく下がるわけですね。
熱中症と水分、塩分の関係についてはこちらの記事も合わせてどうぞ。
脱水が起きにくくなる
体内の塩分が不足すると、体液が薄まってしまいます。
そのため、体はそれ以上体液を薄めないように水を飲みたくなくなります。
のどが渇かなくなり脱水につながるんですね。(能動的脱水と言う)
でも、汗から排出される塩分量が少なければ、体液の塩分濃度もキープされやすく水を飲みたいという欲求も自然に起こります。
そのため、塩分不足からの脱水を防ぎやすくなりますね。
暑熱順化を調べるガーミンウォッチ
なんと、体の暑熱順化度をモニタリングするトレーニングウォッチがありました。
ガーミンのForeAthlete 945。
超マニアックですが、トライアスロンやマラソンの大会出場してる人からしたらありがたい機能ですね。
体を変える熱中症対策、暑熱順化で夏も元氣に過ごそう
ということで、暑熱順化のまとめになります。
僕ら一般人が行う暑熱順化トレーニングはこの3つでも十分でしょう。
- ウォーキングやジョギングなど有酸素運動を行う。
- 外で活動する、もしくは一時的に部屋の温度を外気温に寄せる。
- お風呂やサウナを利用する。
暑熱順化とは、体を暑さに慣らして、体温調節する機能を高めることです。
そのポイントが「汗をかく力」。
暑熱順化をすると、体温が上がる早い段階で汗をかいて熱を逃がしやすくなります。
そして、汗のナトリウム濃度も下がることで、体内の塩分を失いにくくなります。
これによって、水分塩分が少ないのに、喉が渇かないという状況に陥りにくくなります。
熱中症対策の基本は、塩分水分のこまめな補給と体を冷やし休めることです。
厚生労働省が出してるポスターが分かりやすいので掲載しておきます。
これらを意識したうえで、暑熱順化もやっておくと、この夏も元氣に過ごしていけますよね。
人間の体ってスゴイですよね。
ちなみに、肥満の人は皮下脂肪が多く、体温を下げにくいため熱中症リスク上がるようです。
暑熱順化トレーニングは、代謝を上げてダイエットにもなりますから、一石二鳥です。
本格的な夏に向けてやっていきましょう。
あと、お水とお塩について、
僕が7年以上愛用しているモノを紹介しています。
↓
暑い~、マスクもしてて顔が熱い~!