ダイエット中のカロリーって気になりませんか?
それで、ノンカロリーの炭酸ジュースを選ぶって人も多いはずです。
普段からコーラが好きな人は、コカコーラゼロを買いたくなりますよね。








今回は、コカコーラ・ゼロを代表として、カロリーゼロの炭酸ジュースなどがダイエットにおすすめかどうかを検証していきたいと思います。
僕自身、看護師として専門病院で働き、国際保健活動に従事した後、人が健康に暮らすには食べ物が大事だと考えて、加工食品について学びました。
加工食品診断士という資格も持っているので、お話しできることも多いです。
いきなり結論ですが、ダイエットにはおすすめできません。
それでも、ボクサーやボディビルダー、アスリートなどで期日が決まっていて、どうしてもその日までに『超短期的に体重を制限したい』というときは使ってもいいかもしれません。
そういう限定的な状況ではおススメできます。
しかし、そこまでストイックに減量していれば、甘い炭酸飲料も飲みたいと思わないかもしれませんけど(笑)
健康的に痩せたい、理想の体型を目指したいって場合は、甘い炭酸飲料は意識的に控えられるようになるのがベストです。
分かり切ったことですみません(汗。
その理由について説明していきます。
今回の記事は、こちらの書籍を参考にして書いています。
【内容紹介】
「カロリーゼロ」「カロリーオフ」「ノンシュガー」とうたわれる食品・飲料は身の回りにあふれています。健康を気遣う人ほど、好んで選ぶ傾向があるでしょう。
本書は、米ハーバード大学で加工食品の害悪について研究を進める日本人医師が、いわゆる“カロリーゼロ”甘味料が体にもたらす生態的・心理的メカニズムにかんする最新の知見を紹介し、その大量摂取に警鐘を鳴らします。
引用:Amazon紹介ページより
カロリーゼロでも甘い人工甘味料、実際のところはどうなのか?
色んな事例や研究の話を交えて書かれているので分かりやすくおススメです。
カロリーゼロの食品、カロリーが無いから太らない、健康的だ、と思ってグビグビ飲んでしまう人もいるので、注意しておきましょう。
たまに1本、2本飲んで、体に悪影響が出るとは思いませんが、毎日続けて飲んでいくのは考えモノです。
重要なのは、体が脂肪を蓄えるメカニズムは、カロリーだけに影響を受けているわけではないってことです。
最後まで読んでいただけると、人工甘味料の「表と裏」について学べます。
あと「コーラの味が好きで好きでたまらない、けど健康になりたい」という人向けに自作コーラ風飲料の作り方もつけておきます。
意外と美味しかったです。
それでは、いきましょう。
動画でも解説しています。
コカ・コーラとコカ・コーラゼロの違い
まずは、コカ・コーラとコカ・コーラゼロの違いを知っておきましょう。
コカ・コーラ


原材料名 : 糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖)/ 炭酸、カラメル色素、酸味料、香料、カフェイン
種類 : 炭酸飲料 エネルギー : 45kcal/100ml栄養成分表示:100ml中
エネルギー 45kcal タンパク質 0g 脂質 0g 炭水化物 11.3g 食塩相当量 0g


- 原材料名 : 炭酸、カラメル色素、酸味料、甘味料(スクラロース、アセスルファムK)、香料、カフェイン
- 種類 :炭酸飲料 エネルギー :0kcal/100ml
- 栄養成分表示:100ml中
エネルギー 0kcal タンパク質 0g 脂質 0g 炭水化物 0g 食塩相当量 0.01g
メタボ改善やダイエットのニーズでカロリーをゼロにしようとして開発された商品ですよね。
コカ・コーラの中の糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖)がカロリーの素になっています。
この糖類を人工甘味料に置き換えて、カロリーを失くしたものがコカ・コーラゼロになります。
その他の原材料は変わりませんね。
ちなみに糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖)は栄養成分表示上「炭水化物」になっています。
個人的な意見ですが、「炭水化物ってご飯や小麦粉、トウモロコシなども入るので、シンプルに糖類、糖質と書けば良いのに」と思ったりします。
使用されている人工甘味料について
コカ・コーラゼロに使用されている人工甘味料は、スクラロースとアセスルファムK(アセスルファムカリウム)です。
これは、厚生労働省から、一日に摂っても大丈夫な量が決まっている食品添加物になります。
ただし、どんなものでも摂り過ぎはよくありませんし、人工甘味料は使われ始めてまだ歴史が浅いので、人体に及ぼす影響を全て確認できているとは言えません。
具体的にどんなものか知っておくと良いですよね。
良く使われている人工甘味料とその働き
まずは、コーラゼロに使われている人工甘味料を見ていきましょう。
スクラロース
こちらは、コカコーラ社が掲載している飲料アカデミーの中のスクラロースの紹介です。
スクラロースとは、1976年に開発された砂糖の約600倍の甘さをもつカロリーゼロ甘味料です。
現在、カナダやオーストラリアを含む約80ヵ国で食品や飲料の原材料として使用されています。
その安全性については、開発以来多くの研究が行われていますが、がんの発症や遺伝子の損傷、免疫系などに影響を及ぼすことはないと認められています。
また、私たちの身体の中に取り込まれたスクラロースは体内に蓄積されることなく、すみやかに排出されます。
スクラロースは安全性の高いカロリーゼロ甘味料であることが、多くの国で確認されています。
実際に、スクラロース自体はカロリーがありませんし、体内で吸収されないそうです。
ですが、ダイエットにおいて重要な、血糖値やインシュリンの分泌に関してはまた別のデータもあります。
2013年にアメリカのミズーリ州にあるワシントン大学の研究で、スクラロースと血糖値の関係を調べたものがあります。
肥満の人(糖尿病ではない)を対象に、水と人工甘味料(スクラロース)を飲んだ場合、血糖値やインシュリンなどのホルモンにどんな影響が出るか調べました。
その結果、スクラロースを飲んだ場合、水よりもピーク時の血糖値は高くなり、インシュリンの分泌も20%増えた結果になったそうです。
つまり、「食事に合わせてスクラロース入りの飲料を飲んだ場合、血糖値は高くなりやすくインシュリンの分泌も増える可能性がある」ということです。
下のリンクの論文を参照しています。
つまり、普通のコーラとコーラゼロであれば、それだけを飲む場合は、コーラゼロの方が血糖値が上がりにくいかもしれません。
しかし、一緒にお菓子を食べたり食事をする場合は、コーラゼロでも血糖値が上がりやすくなり、インシュリンの分泌が増える可能性があるということです。
カロリーゼロと言っても、水やお茶など、完全に自然でノンカロリーの飲み物にはかなわないですね。
また、スクラロースの化学成分には、塩素が入っているため加熱して138℃を超えると塩素系ガスが発生すると言われています。
ダイエット飲料に入っている分にはその点は気にしなくても良いですが、人工甘味料としてクッキーやケーキなどの焼き菓子に使用する場合は注意が必要かもしれませんね。
ヒトへの長期的な研究はされていないので、今後も調査が必要になると思われます。
アセスルファムK
コーラゼロの人工甘味料、もう1つはアセスルファムKです。
こちらもコカコーラ社の飲料アカデミーから引用します。
砂糖の約200倍の甘さをもつカロリーゼロ甘味料であるアセスルファムカリウムは、1976年に発見されました。
スクラロースやアスパルテームなど、他の甘味料と組み合わせて用いることで、砂糖に近い甘みを得られます。
後味のキレも良いため、現在では約90ヵ国以上で、飲料や食品、オーラルケア製品や医薬品にも用いられています。
摂取した後はそのまま消化管を通過し排出されることが知られています。
アセスルファムカリウムが安全で使いやすいカロリーゼロ甘味料であることは、90件以上の試験により確認されています。
と、アメリカの官庁でも安全性を認められているアセスルファムKですが、まだ使用され始めて30年程度と歴史が浅いのは同じです。
アセスルファムKに関しては、発がん物質である塩化メチレンを含んでいるそうです。
塩化メチレンを長期に摂取すると、頭痛、抑うつ、吐き気、精神錯乱、肝臓や腎臓への影響、視覚障害、がんを引き起こす可能性が心配されています。
アメリカでも使用に反対の意見がありましたが、発がん性の危険はなく安全と判断して、一般的な使用は承認されました。
また、こちらもインシュリンの分泌に影響を与えるという報告もあります。
アセスルファムKをラットに注射したところ、インスリン分泌を増加させることが見つかっています。
こちらも、ダイエットにはあんまりおすすめできませんね(苦笑
その他の人工甘味料 アスパルテーム
日本でよく使われている人工甘味料御三家は、先に出したスクラロース、アセスルファムK、そしてアスパルテームでしょう。
コーラゼロには使用されていませんが、アクエリアスゼロやトクホのコーラ、コーラプラスには使用されていますね。
コカコーラ社の飲料アカデミーでも掲載されています。
低カロリー甘味料であるアスパルテームを使用した飲食物は、砂糖と同程度の甘さを感じながら、体重管理を行うことが可能であると、最近の研究で証明されています。
また別の研究では、アスパルテームを用いて体重管理を行った場合、体重減少維持率が高く、いわゆる「リバウンド」を起こしにくいことが明らかになっています。
かつては、アスパルテームの摂取により、逆に食欲や食事量が増してしまい、余計なカロリーを摂取するような事態を生むのではないかと懸念されていたこともありましたが、現在では前述の研究などにより、アスパルテームが健康に影響を及ぼすことはないということが明らかになっています。
アスパルテームは、人工甘味料の中でも議論の的になっています。
それもあって、飲料アカデミーのページでは、多数の安全性試験がされた論文が掲載されています。
なので、大丈夫、、、
と言えれば良いのですが、やはり反対意見もあります。
その大きな根拠は、アスパルテームを体が吸収した後にできる物質です。
フェニルアラニン、アスパラギン酸、メタノール、この3つが怪しいと言われています。
アスパラギン酸は単独で摂取すると、神経細胞を興奮させてダメージを与える心配があります。
それによる知能低下も心配した方が良いのでは?という研究報告もあります。
こちらの論文では、アスパルテームによる物質が神経細胞に興奮作用を与えてダメージがあるということ、発がん性なども心配があるという結論になっています。
安全とされている研究も、危険とされている研究も多数あるので、正直なところよく分かりません。
認可された背景にもやや不審な動きが、、、
アメリカで認可された背景にも、多くの研究で製造会社から研究資金が流れていたことが分かっています。
ヒトへの安全性試験を行った研究は166件だったそうですが、74件はアスパルテームの製造会社からの資金提供があったそうです。
残りの92件の独立資金での研究では、その92%で健康に対する問題が報告されています。
また、アスパルテームを承認しなかったFDA長官は大統領が変わるときに、解任されました。
その後に、FDAの長官についたアーサー・ヘイズ氏はアスパルテームを承認し、FDAを辞任した後、アスパルテームの製造会社であるG.D.サール社に就職しました。
もしかしたらの話ですが、裏で取引があった可能性もなきにしもあらず、です。
とにかく、ヒトが長期的に使用した結果は、まだ研究されていないので、今まさに実験中ということになりそうです。
こちらも、毎日摂り続けるのは避けたいとこですね。
人工甘味料がダイエットにおススメできない5つの理由
ということで、コーラゼロについて、人工甘味料の成分をみながら「あんまりおススメできない」という話をしてきました。
ここからは、分かりやすく具体的な話をしていきたいと思います。
コーラゼロも踏まえて、人工甘味料入りの飲み物やダイエットソーダなどがおススメできない理由はこちらです。
- 砂糖と同じく中毒性がある
- 甘味によってインシュリンが分泌されやすくなる可能性
- 食欲が増加する可能性がある
- 安全性が微妙に不安
- 健全な腸内細菌叢を壊して、血糖コントロールを不安定にする可能性
砂糖と同じく中毒性がある
砂糖はコカインよりも中毒性が高いことがラットの実験で分かっていますが、人工甘味料も同じ。
高い中毒性があるのは変わりません。
砂糖のカロリーではなく、甘い味によって、中毒性を感じているんですね。
なので、ダイエットソーダ、人工甘味料入りの飲料を飲むときは、「飲むと次も飲みたくなる」と意識しておく方が良いでしょうね。
そういう意識を持っていれば、飲みたくなった時に、ハッと気が付いて、棚から手にとるのを止めれるかもしれません。
また、甘味に対して依存してしまうので、他のスイーツやお菓子をより食べたくなる可能性もあります。
中毒性には注意したいですね。
甘味刺激によってインスリンが分泌されやすくなる
これも、不思議な現象です。
カロリーがなくてダイエットソーダでは血糖値が上がらなくても、他の食事によって血糖値が高くなりやすくなり、インシュリンの分泌が増えやすくなるという結果があります。
血糖値が高くなればインシュリンを分泌するのが当然ですが、味覚によっても、膵臓がインシュリンを分泌する、もしくは分泌する準備をし始めるようなんですね。
インシュリンが分泌されると、余ったカロリー(グリコーゲン)を肝臓や筋肉に蓄え始めます。
しかし、肝臓や筋肉に蓄えられるのは一定量なので、それ以上のカロリー(グリコーゲン)は脂肪に蓄えられるんですね。
そのため、ダイエットをするときは、摂取カロリーだけではなく、血糖のコントロールもしていく方が効果的です。
食欲やメンタルもコントロールしやすくなるので、継続しやすいし結果も早く出ますね。
こちらの記事も参考にしてください。
食欲が増加する可能性も捨てきれない
結局のところ、私たちは、カロリーだけではなく味覚によっても、体が直接影響を受けます。
カロリーゼロでも、甘いと中毒性があったり、他の食べ物をより食べてしまうということがありますから、注意が必要ですね。
一部の研究では、「アスパルテームが食欲に与える影響はない」という結果が出ていますが、実際に試してみるとどうでしょうか?
安全性がちょっと微妙
で、結局のところ、人工甘味料はどれも安全性が微妙です。
安全性を確認された試験というのは動物実験が多いですし、スクラロースならスクラロース、アセスルファムKならアセスルファムKと、単独の物質で調査されていて、複合した場合の研究はありません。
ヒトが長期的に使用してどうなったか?という研究もこれからなので、今まさに実験中ですよね。
ダイエットって、痩せるだけではなく健康レベルを高めるためのものなので、日常的に人工甘味料入りの飲み物を飲むのは止めた方が良さそうです。
認可後に有毒性が見つかるケースもある
また、人工甘味料は過去に認可されたものが、後で有毒性がみつかって取り消されたケースなどもあります。

1947年に認可されたズルチンは発がん性と肝毒性が見つかったため、1968年に禁止。
1956年に認可されたチクロは発がん性や催奇形性で、1969年に取り消されました(後の追試験では再現性がなく、今も使っている国もある)。
砂糖も血糖値を急激に上げてしまうので、避けたいですが、歴史的に検証されていない人工甘味料も、好んで摂るのはやめたいとこです。
健全な腸内細菌叢を壊して、血糖コントロールを不安定にする可能性
人工甘味料によって、インシュリンが分泌されやすくなる可能性があるとお伝えしましたが、それに関係していそうな内容です。
2018年にオーストラリアのアデレード大学で行われた研究では、糖尿病ではなく健康な成人に、ダイエットソーダ1.5Lに相当する量のスクラロースとアセスルファムKを14日間継続して、1日3回カプセルに入れて内服して腸内細菌の様子を調べました。
その結果として、食物を発酵させるのに役立つ有益な細菌種の個体数も減少しましたが、11の日和見性腸内細菌が豊富に増加したそうです。
日和見性腸内細菌は、腸内環境が悪化すると悪玉に傾くので、望ましい結果ではないですよね。
さらに、チームは、血糖値の制御に役立つホルモンGLP-1の放出の低下と相関するブチリビブリオ菌の個体数の減少を観察したとのこと。
GLP-1は、食欲を抑制するホルモンなので、それが減るというのは、食欲が増えるってことですよね。
糖質ではない、カロリーがないと言っても、様々な要因で太ったり、2型糖尿病のリスクは上がりそうです。
カロリーゼロでも甘いものは避けるのが鉄則
ダイエット中は人工甘味料はあまりおすすめできません。
ただ、食事中や前後にならず単体で飲むなら、コーラゼロやその他の人工甘味料を使ったダイエットソーダも良いかもしれません。
ですが、甘味の中毒性やインシュリンの分泌が増加する可能性、その他の安全性に賛否両論あることから、積極的に飲まない方が良いのではないかと思います。
あくまでも、限定的に。
パーティやBBQ、お酒の席などで、明日は絶対計量をクリアしたい!という緊急時など、一時的に使用するのは良いかも。
そこまで意識しているなら、日ごろの食事から氣をつけたいところです(笑)
コーラの味が好きなら自作しよう
えっ、人工甘味料もダメなの!
ってなると、コーラが大好きな人はショックだと思います。
なんとか、体に良いコーラを作ってみましょう。
元々、コーラは薬草・ハーブを集めて作られた飲み物でした。
それがあまりにもマズく飲みにくかったので、炭酸と砂糖を混ぜて販売したところ好評だったそうです。
日本でも市販に売られているスパイスを使ってコーラの香りに似た飲み物を作ることができるんですね。

【原材料】
- シナモンスティック 2本
- バニラビーンズ(棒) 1/2本
- クローブ(ホール) 3g
- カルダモンシード 2g
- レモン 1/2個
- 砂糖 500g
- 水 500cc
【作り方】
- 全部の材料を鍋に入れて火にかける
- 沸騰したら火を消して、あら熱がとれるまで放置
- 冷蔵庫で半日なじませる
- ざるで濾したら、コーラシロップの出来上がり
- 炭酸で割ったり、お湯で割ったりして飲む
先日、うちの奥さんが料理教室で作って持って帰ってきたので、いただきました。
スパイシーな香りがコーラの香りに似ていて、けっこういけます。

珈琲と炭酸で割ると、色もコーラっぽくて珈琲の苦みが良い感じで効いていて上手いです。
シロップの砂糖の量を調整して、薄味にすれば、カロリーもそれほど氣にならなくなるでしょう。
ダイエット中は手作りコーラがおススメです。
あと、コーラと一緒によく食べるファストフードなどの超加工食品とは何か? 解説しました。
こちらは、甘い物、特に砂糖を止めるにはどうしたら良いかをまとめた記事です。
缶コーヒーを飲んでるけど、やめたいと思ってる方はこちらもどうぞ。
合わせてみてみてください。
身近にあるモノだからこそ、知ってから選びたいですね。
最後までお読みいただきどうもありがとうございます。
ダイエット中の食事や運動、メンタルのお悩みについてlineからも相談にのってます。