メンタリストDaiGoさんの動画などでも紹介されていたこちらの本「そのひとクチがブタのもと」。
食行動心理学者、食品マーケティングの専門家であるブライアン・ワンシンク氏によって書かれた本です。
ダイエット本ではありますが、多くの本のように食事内容や生理学などは一切出てきません。
人が物を食べるとき食品を買うとき、どんなことに影響を受けているのかを調査研究した結果がまとめられています。
すでに絶版になっているようで、Amazonではなかなかの値段がついています。
僕が、以前調べたときにも、6,000円超えていました。
本というのは情報の塊で、その情報が喉から手が出るほど必要な人もいますから、高値がつくこともありますよね。
Amazonレビューも高評価が多く内容も気になり、読んでみました。
無意識に食べ過ぎてしまう理由が明らかになっているので、その逆をやってみよう、という内容になっています。
自分でも気づかないように食べる量を減らすには、どうしたらいいのか?
という話ですね。
あと、最初にお伝えしておきますが、著者のブライアン・ワンシンク氏は論文の捏造疑惑もある方です。
食品流通、ファストフード業界がかなりお金出しそうな研究をしているので、黒いとこもあるのかもしれません。
ただ、全てのデータが信頼できないという訳でもないですし、この本も有益な内容も多いと思います。
今回、本の表紙の絵のように、ついつい食べ過ぎてしまって悩んでる人に向けて、内容をまとめました。
特に効果がありそうな実践すべき内容は、この5つになります。
- シグナル服を用意する
- ボリューム感を演出する食器を使う
- 食べるモノ食べたモノを全て見えるようにする
- 間食をするときは手順や労力を増やす
- 食事の儀式化、食事のルーチンを新しくする
実践してもらえると、知らない間に太ることがなくなってくると思います。
徐々に体重が落ちて、昔の理想の体型だったころのズボンがスッと入るようになると思います。
食事内容や運動メニューとかち合うこともないので、他のダイエット法とも並列して行えるのは大きなメリットですね。
また「食事をする環境」をセッティングすることで、食べ過ぎを防ぐというモノなの。
一度ルールを作って決めてしまえばルーチンとして自動的に行える部分もあります。
そう考えると、確かに価値のある本だと思います。
詳しく見ていきましょう。
目次
囚人は監獄の中でなぜ太るのか?
ダイエットをして体重を落とすには、まず最初にそれ以上太らないのが鉄則です。
先ずはその仕組みを作りましょう。
それを知るために、紹介されている面白い事例が、半年間服役した囚人が太ってしまうという話。
出所する囚人は滞在中に9キロ~11キロも太っていたそうです。
リッチな食事が出るはずもなく、間食もそれなりに制限されているはずの監獄。
さらに、刑務所内に運動施設もあり、運動もできる。
なのに、なぜ囚人は太ってしまうのか?
あなたは何でだと思いますか?
、、、
、、、
この疑問の答えはダブダブの囚人服だったそうです。
つなぎのように着られてウエストが締まらない囚人服。
毎日毎日、服装を変えることがないので、自分が太ってることに気づかないそう。
そのため、食事を食べる量を気にすることもなく、滞在中に9キロ~11キロ太っていたという話です。
理想のプロポーションを示すシグナル服を用意する
逆に考えると、娑婆でもブクブク太るのを予防する使えるアイデアになります。
シグナル服を用意しましょう。
もし、今体型が太っているとしたら、それをガッツリ自覚する。
そのために自分がベストのプロポーションだった時の服を引きだしの奥から出してきて、着てみるのは良いかもしれません。
今、ダイエットに励んでいるとしたら、あなたの理想のプロポーションのサイズの服を買う。
そして、思いっきり履くと破れるかもしれないので、ゆっくりとサイズを合わせてみて、しっかりイメージしましょう。
リアリティが湧いてくると体がその服に馴染むこともあります。
そして、ダイエットに成功したら、ちょくちょくその服を着てウエストがきつくないか確認すると良い刺激になりますよね。
体重が減ったことに気づく8つのシグナル
また、紹介されていた「体重が減ったことに気づく8つのシグナル」というのも、モチベーションを維持するのに参考になります。
人はこういうときに、痩せた実感を持てるということ。
- ジーンズがまた気持ちよくはけるようになったとき
- ベルトを締めなければいけなくなったとき
- 息を吸って腹部を引き締め、筋肉が割れてみえたとき
- ベルトの穴が昔の位置に戻った時
- オフィスまで階段をのぼっても疲れなくなったとき
- 頬骨がみえるようになったとき
- パンツのボタンをとどめるのに息を吸い込まなくてもよくなったとき
- 「やせたのか?」と友人や同僚から訊かれたとき
服のサイズや他者からの承認は効果的ですね。
あと、階段の上り下りでの体力。
これは、ダイエット中に試して効果が実感できると更なる意欲につながりますよね。
食べ過ぎの最大の原因、人は胃ではなく目で食べている
ボリューム感を演出する食器を使いましょう。
日々の食事で、食べ物のボリューム感を演出する食器を使うのがおすすめです。
小さめの器を使って盛り付けると、たくさんあるように感じて、無意識に食べる量を減らせるそうです。
その理由が、人は胃ではなく目で食べているから。
著者が2007年にイグノーベル賞を受賞した面白い実験があります。
イグノーベル賞は、1991年に創設された「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる業績に対して与えられるノーベル賞のパロディーである。
wikipediaより引用
無限スープに気づいた人はほぼ皆無
面白い実験というのは、無限にスープが湧いてくるスープ皿です。
スープ皿の底に仕掛けを作り、飲んでも飲んでも量が減らないスープ皿を作ったのです。
底にチューブが繋がっていて飲んだ分、下から補給されて量が減らないようになってる仕掛けです。
仕掛けのないお皿で出されたスープは平均310㏄飲まれたそうですが、減らないスープ皿だと平均410㏄。
100㏄余分に飲んでいるそうです。
さらに面白いのは、中には1L以上スープを飲んだ人もいたんですよ。
いや~、分からないものですね。
そのスープを飲んだ食事をした後、アンケートをとると、誰もスープの量が増えていたことに気づかなかったそう。
つまり、お腹の中に入った食べ物の量よりも、食べ物を目で見て減った量の方が満腹感に関わっているということです。
別の実験では、同じ量のスムージーをしっかり攪拌させて空気と混ぜて見せかけの量を増やして出すという実験もされています。
やはり、空気を攪拌させて作ったスムージーの方が満腹感を感じたという結果。
人は胃で食べているのではなく、目で食べているわけですね。
まずいポップコーン実験、LサイズはMサイズより53%多くなる
また、確実に容器や盛り付けられる量によって食べる量が決まる結果になった実験も行っています。
映画を観終わった後アンケートに答えてもらう代わりのサービスとして、映画を観る客にポップコーンを無料で配りました。
ポップコーンは5日前に作ったモノで、噛むとキュッと音がなるほど、乾燥していて味気なかったものを提供。
MサイズとLサイズを渡して、終了後計測したところ、Lサイズの方が平均して53%多く食べられてたそうです。
カロリーにすると173キロカロリー。
つまり、Lサイズの量を盛ると、それを食べてしまうので、初めから少ない量を盛り付けた方が良いわけです。
旦那さんが太りすぎてて、気づかずにダイエットさせたいときなんかは、特に使える方法ですね(笑)
チキンを2本余分に食べてしまった理由とは?
さて、他にも目で物を食べていることを証明する実験が続きます。
今度は、手羽先フライドチキンをどれだけ食べたかという実験。
片方のテーブルは、食べたフライドチキンの鶏がらをお皿にそのまま残しておく。
もう片方のテーブルは、食べたあと鶏がらを片っ端から片づけておく。
すると食べた後の鶏がらを残しておいたテーブルは平均して一人当たり2本少なかったそうです。
テーブルでみると28%少なかったとのこと。
つまり、すぐに食べた後の鶏がらを片づけたところ、食べる量が増えたわけです。
レストランとかも丁寧にお皿を取り換えに来てくれますが、そういう意図もあるかもしれませんね。
気をつけましょう。
自分が食べた量を目で見て確認することでも、食べ過ぎを防ぐことができるわけですね。
間食を減らすには、食べ物を手に入れる手順と労力を増やす
そして、次の話。
今度は間食を減らす方法になります。
それは、食べ物を手に入れる手順と労力を増やすコトになります。
配置を変えれば食べるチョコレートの量が半分になる
これまた紹介されている実験結果です。
キスチョコをオフィスのどの位置に配置するかで、秘書がチョコを食べる量を測る実験。
チョコを置いたのは、3か所です。
- すぐにつまめるデスクの上、
- 引き出しを開けばつまめるデスクの引き出し、
- 歩いて取りに行かなければいけない棚の上、
とテストした結果、下のような結果になったそう。
- デスクの上 1日9粒
- デスクの引き出し 1日6粒
- デスクから2m離れた棚の上 1日4粒
食べ物を手にするまでに、必要な手順が増えたり、かかる時間や労力が増えれば食べる量は少なくなるというコトです。
まぁ、当たり前の結論ではありますが、意識的に環境を設計している人は少ないでしょう。
また、デスクから2m離れた棚の上は、歩いているうちに本当に必要なのか考える余裕ができる、と体験談。
時間や労力がかかっている間に考えを改める可能性もあるんですね。
もし、チョコレートすぐ食べちゃって困るって場合は、床下の収納などに入れておくと、取り出すのがめんどくさくて食べなくなるかも。
仕事帰りのコンビニとかで買っちゃあダメですが、、、
食事の儀式化、新しいイメージとルーチンを決める
物を食べるという行為は、生命維持に直結するので無意識にも強く影響を受けるわけです。
それを証明した実験で、少し怖いのが、ヒトで条件反射を確認した実験です。
条件反射や周囲の刺激によって食べ過ぎてしまうことも
条件反射といえば、パブロフの犬。
食事を出すときに毎回ベルを鳴らしていたところ、ベルを慣らせば食事をだしていなくても、犬がヨダレを出すようになったという実験です。
心理学者リーン・バーチという人ですが、これと同じようなことを幼稚園でやってみてるんですよ。
幼稚園児に繰り返しおやつを与え、回転灯が光り、決まった音楽が流れるようにする。
子どもたちはその光と歌をおやつの時間と食べることに結びつけるようになった。
ある日、子どもたちの昼食が終わった直後に回転灯をつけ、歌を流した。
その結果なんと、子どもたちはまた食べ始めたそうです。
ちょっと怖い話ですよね。
しかし、食事が自分の体の空腹感や満腹感だけではなく、外部の刺激によって思いっきり影響を受けてることを知る良い例だと思います。
いつも食べ過ぎてしまうという場合は、何が理由で食べ過ぎてしまうのか、その原因を一度突き止めなければいけませんね。
一人より二人、二人より大人数で食事をすると食べる量が増える
また、1人で黙々と食べるよりも、食事の相手がいる場合、35%食べる量が増えるそうです。
いわゆるつられ食い。
結婚して太るのもこれかもしれませんね。
4人用のテーブルだと、約75%食べる量が増え、7人以上で食べる場合、一人のときと比べて96%以上多く食べるとのこと。
お酒が入る飲み会は特に食べ過ぎの危険が高まりますね。
こちらの記事では、飲み会前のある行動で食べ過ぎを防ぐ方法を解説しています。
新しい習慣、理想の食事を設定しよう
こういったことを考えると、食事をするときの場所や相手、時間帯、前後の行動などにより食べる内容や量も変化しそうです。
何度も繰り返していると、条件反射として体がその行動を覚えるので、食事についても自分が意図して設定できますよね。
食事をする前にスクワット10回するなど、ルーチン(毎回行う行動)として決めておくと良いかもしれません。
また、食事を意識して行うために、ながら食いを止めて食事中は食べ物に集中するのもアリです。
マインドフルに、食事に集中して食べると、食べ過ぎも防げます。
これをやるとき、個人的におススメなのは、「一口ごとに箸を置いて食べる」という食べ方です。
そうすると、食べ物を味わう時間がとれますし、噛む回数が自然と増えます。
そのため、食事時間がゆっくりになり、必然的に満腹感を感じやすくもなります。
ぜひ、お試しください。
この本の原題はマインドレス・イーティング
あと、マインドフルといえば、今紹介している本、「そのひとクチがブタのもと」は邦題の意訳です。
原題だと”Mindless Eating“=マインドレスイーティング、なんですよね。
よって、食事そのものから気を反らされて、注意が散漫になっている状態で食べるのが食べ過ぎの一大原因とも言えるかもしれません。
そのひとクチがブタのもと 食べ過ぎを防ぐ5つの実践まとめ
というわけで、「そのひとクチがブタのもと」の本の内容から、食べ過ぎを防ぐ5つの実践をまとめました。
- シグナル服を用意する
- ボリューム感を演出する食器を使う
- 食べるモノ食べたモノを全て見えるようにする
- 間食をするときは手順や労力を増やす
- 食事の儀式化、食事のルーチンを新しくする
そして、最大に気を付けることといえば、マインドフル・イーティング。
与えられている刺激に無自覚で、注意をそらされながら物を食べるのではなく、意識的に食べることですね。
ちなみにこちらの本、英語ですがサイトも作られていて資料や質問紙なども利用できるようにされてます。
(リンク切れになってるところもあります)
こういう取り組みは素直に良いと思います。
食べ過ぎを防ぐには、こちらの記事も合わせてどうぞ。
最後までお読みいただきどうもありがとうございます。
ダイエット中の食事や運動、メンタルのお悩みについてlineからも相談にのってます。
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